薬屋のひとりごと 28話 感想(ネタバレ注意)お嬢様の猫猫と家来の壬氏

前回から続いていた変装を終えた壬氏だったが、帰る道が同じという理由で猫猫を連れていく事にした。しかし何がどうしてそうなったのか、猫猫がお嬢様の格好をし壬氏が下男の格好をしていた。猫猫が話を聞いたところ、壬氏は下町にある飯屋に行きたいんだそう。どうでも良さそうな猫猫と壬氏の短い旅が始まるのであった。

前話の感想薬屋のひとりごと 27話 感想(ネタバレ注意)平民になるための化粧

美しい猫猫と美しい壬氏

普段の猫猫はそばかすがあり、控えめな体つきをしているから不細工ではないけど美しいとは言えないと猫猫自身は考えている。僕としては普段の猫猫も可愛いと思ってるんだけどね…。という個人的な好みはさておき、今回の目的は壬氏の素性を隠し下町へと行くこと。本来なら壬氏の身を守るためにも高順が良いんだろうけど、本当に普段から高順が張り付いているため今回の目的にそぐわない。かといって壬氏を1人で行かせるには不安、という高順の考えがあったのかも。

ということもあり、猫猫がお姫様のような恰好をすることに…。猫猫としてはかなり屈辱的なのかもしれない。なんとなく猫猫の性格をそういう風に見ていたけど、実際の描写だとあまり嫌がってないんだよね。実は許容範囲が大きいのかも。

結果、猫猫は何時にも増して美しくなった。控えめな体つきはそのままだから、一定の層からは支持を得られないかもしれないけど、まぁ大体の人は美しいと思うんじゃないかなぁ…。

そして肝心の壬氏と言えば、どれだけ誤魔化すような化粧をしたところで高貴なオーラと美貌は消せないという悲劇というか喜劇というか。

壬華とお嬢様のちょっとした旅

旅なんて言うと遠出でもするような響きだけど実際は下町を歩くだけという。ただ結構距離が遠いのか、壬氏もとい壬華とお嬢様は馬車で移動。そこで何かあるかと思ったけど何もないんだね。壬氏なら何かしそうだけど…。流石に変態だと思い過ぎなんだろうか。

壬氏の目的は花街の近くにある飯屋で知り合いと待ち合わせしているんだとか。そのことに訝しむ猫猫。実際変装をしてまで人と会うのはどうしてなんだろうか。わざわざ花街の近くということは単純に考えると花街に関わる人と会うことになる。そのうえ壬氏の知人となると…。正直想像がつかない。誰なのか気になる僕に対し、猫猫は詮索しないほうが良いと懸命な判断をした。そのことを都合よく利用されているってのは確かにありそうだなぁw

猫猫の煮つけ

鶏と大根の煮つけ。定番だけど、というか定番だからこそ安易に想像できてめちゃくちゃ美味しそう。そういえば作中で猫猫が料理を作ったことあったっけ? なんとなくだけど薬の調合が上手い人は料理も上手そう。レシピがあるかどうかで変わりそうな気もするけど。

そんな猫猫に対し壬氏はニマニマしながら止める。まぁ確かにお嬢様と下男に変装しているんだから、雰囲気を壊すような鶏と大根はまずいよなぁと思いつつ、猫猫は常におなじの心配をしていて良い子だな~。こんな娘がいたらさぞ幸福なんじゃないだろうか、と一瞬思ったけど根本的に猫猫はマッドサイエンティストだからダメかもしれない。

というかえらい目にあいそうだけど、おやじは大丈夫そうだから不思議。やっぱり尊敬という感情は素晴らしいね。

壬氏イジケル

今だけ壬氏は下男、猫猫はお嬢様。立場が逆転しているわけだ。そんな中で猫猫は壬氏の後ろを歩いていた。まぁ何時もなら問題ないんだけど変装をしているから違和感が凄い。というわけで猫猫は壬氏と入れ替わるように早歩きになると壬氏がいじけだした。なんという面倒くささ!

そもそも猫猫があまり話さないことに不満のようで情けない顔だw

これ猫猫だから何だこいつで済むけど、もし他の人なら壬氏に魅了されるし人がいても文句を言われるだろうなぁ。そう考えるとますます面倒くさいわけだけど、そのことにかこつけて猫猫は串焼きを手に取った。

にしても美味しそうな焼き鳥を描くなぁ…。この感想を書く前に夜ご飯を食べたばかりだけど、串焼きがめちゃくちゃ美味しそうだからちょっとお腹がすいたかも。

面白いことに壬氏は串焼きをペロリと食べた。壬氏は見た目からして高貴なんだけど、こういう庶民的な食べ物を庶民的な食べ方で食べたのが意外だ。なんというかこの手のエピソードになるとどうやって食べるのか分からず主人公が教えるというのが定番じゃない?

でも壬氏は当たり前のように食べて、しかも気になるキーワードをポツリとこぼした。

「野営のときよりも塩が効いていて美味いな」

野営といえば長旅をするような人たちがすることだ。例えば戦のために遠出をする武官。行商人など。しかし壬氏は宦官で後宮の管理をしている。とても遠出をするような人物じゃない。にもかかわらず野営の経験があって、鶏肉を塩で食べたことがある。これは一体どういうことなのか。

相変わらず詮索を嫌う猫猫はスルーしたけど、このことが明らかになるのは何時なんだろうか。そして、そんなときが来るとしたらどういう状況なんだろうか。楽しみではあるんだけど、状況が今とは違いそうで不安だなぁ…。

 

ここから後半の感想になります。

 

別れたがりの猫猫

こういうサバサバしていて人に執着しない猫猫みたいな人、僕としては超好み。あまり人には理解されないけど1人は楽で良い。まぁ猫猫は鶏と大根を買いたいがために早く別れようとしてるんだけどねw

対する壬氏はちょっとだけ寂しそう。理由を考えてみたんだけど、壬氏は猫猫が宮廷を嫌ってると思っている。根拠は単純に壬氏が「宮廷の生活も悪くないだろう」という問いを猫猫にしたから。この問いと壬氏の寂しそうな表情を合わせるとそうなるんじゃないかなぁって。

でも壬氏の不安とは裏腹に猫猫は宮廷の住みやすさを認めていた。元々の猫猫が住んでいた場所を考えると住みやすいどころじゃないよね。人によっては後宮に売られても良いと考えるレベル。宮廷とは違うけど後宮での暮らしも豪華だしね。

おやじ想いの猫猫

ここでも猫猫のおやじへの心配。本当に良い子だ。でも壬氏からすると予想外の答えだったようでポカンとしていた。確かに薬や毒に執着する普段の猫猫からするととても人情がある。けれど、猫猫に毒や薬の知識を授けたのがおやじであれば別。猫猫の原点ともいえる人物なのだから気にかけるのは当然といえば当然。薬や毒にしか興味がないとは言っても猫猫も人の子。そこらへん抜きでおやじのことは心配しているはずだよね。

そんなおやじのことを猫猫から新情報。若いころに西方に留学をしていて漢方だけでなく西方の医術まで理解しているのだとか。けれど、その留学が理由で宦官にされてしまい、現在の薬屋に到る。

いやいや、意味が分からないんだけど留学しただけで宦官にされるの? 先帝の母に宦官にされる理由がサッパリ分からん。いや西方に留学したからなんだけど、でもそれじゃ納得できないよね。壬氏は何かしら心当たりがあるようだけど。

壬氏の目的

わざわざ花街の近くにある飯屋に壬氏が来た理由はなにか。

壬氏の言葉では知人に会いにきた。けれど、その飯屋は上が宿屋、下が飯屋になっていた。その事実を知って猫猫は察する。こういう息抜きが必要なのか、と。

はじめは意味が分からなかったんだけど、つまりエロいことか!? そう考えると猫猫の「宦官にもこういう息抜きが必要なのかね」という言葉にも納得できる。

妓女の価値を下げる方法

猫猫は自宅に帰り、壬氏は飯屋で知人に会うかエロエロしいことをするのかと思いきやまさかのシリアスに突入。

妓女の価値を下げる方法を聞いてくる壬氏。花街でこんなことを聞くようでは、まるで壬氏が妓女の価値を下げたいみたいじゃないか。でも実際は変態軍師にまつわること。どうやって妓女の価値を下げるのか、どうやって変態軍師は妓女の価値を下げたのか。そのことを知りたいなら世間を知るものに聞いたほうが早い、つまり猫猫に聞いたほうが良いというわけだ。

そして猫猫の答えはシンプルだった。高級妓女なら犯せば良い、無価値にしたいなら孕ませれば良い。高級妓女は体を売らないからこそ高級だとされている。そりゃそうなるわな。

でも体を売る妓女はどうなんだろう。孕まされると価値が下がるんだろうか。そりゃ下がるんだろうけど、でも無価値にはならないような気がする。世の中にはそういう変わった趣味の人はいるし、なんなら人妻が大好きな変態もいるし。価値が下がるのは間違いないんだろうけど無価値にはならなそう。

そういう意味では高級妓女もそうなんじゃないかと思うけど無価値になるってことはそれだけ神聖視されてるってことなのかな。

にしても、最後の猫猫の「なんの感慨もなく言ってのけたはず」という言葉。そのまま受け取るなら親しい人がその通りのことをされたということになる。場合によっては猫猫の母親がそうだったのかもしれない。そして変態軍師の言動。絶対に何かしら関係あるよね。